何かサービスを始めようと思うと、データセンタの利用等についても考えなければなりません。Amazon S3 サービスは、選択肢のひとつですが、日本では転送速度が遅いとか、使い勝手にもう一工夫ほしいとか、いろいろあります。Amazon のブログによると、Akamai のようなCDNサービスを始める計画らしく、これが実現すると、イノベーションが加速する事は間違いなさそうです。
S3サービスを利用したサービスで、1人当たり1回につき600kb、30 request を20回行い、1日に100人が利用したと仮定すると、1Gあたり 0.15$ なので、一ヶ月に 0.0006 * 20 * 100 * 31 days * 0.15 $ * 110 yen = 613.8 円 の転送料と、30 * 20 * 100 * 31 / 10000 * 0.01 $ * 110 yen = 204.6 円 のリクエスト料になります。もし、転送速度が一定で使い物になるならば、ものすごい事です。
一方で、マイクロソフトは Software + Service を掲げ、既存のビジネスパートナーと協力して、サービス志向型の業態を創り上げましょう!と真剣に提案しています。つい先日発表されたWindows Asureは、その解答のうちのひとつですが、その記事の中に Amazon と協調してサービスを提供するとあります。
イノベーションが受け入れられる要素として、「移行コストが低い事」というのがあり、ブラウザの世界では、ActiveXコントローラは失敗し、生のブラウザだけで動作する JavaScript が主流になってしまいました。Write Once Run AnyWhere の標語と共に席巻した Java の Applet さえ主流に成り得ずに、Sun は、せめて Flash の地位ぐらいは取ろうと Java の軽量化に励んでいます。
ここで熟考しなければならないのは、.Net である Silverlight, Moonlight の立ち位置です。マイクロソフトの力が低下してきているとは言え、一般ユーザには、まだウィンドウズが主流です。OSのシェアを握っている間に、.Net を核としたサービスを上記のようなデータセンターと共に構築できるならば、まだまだ捨てたもんじゃないかもしれない。
Google Gears の狙いのひとつにトラフィック量の低減というのがあると思いますが、.Net ならば、もっとスマートにトラフィック量の低減を実現できるかもしれません。そうすると、サービスを提供するために必要な費用を更に下げる事ができます。運用コストが下がるならば、サービスを提供する側もそちらに流れてみよう・・・という潮流が起これば、.Net を利用するための移行コストが下がるという事を意味します。
もうひとつ無視できない潮流に、アナログ放送の空き 130Mhz が開放され、次世代通信規格と共にモバイル革命が起こる事があります。実は、HDDからSSDと同じように、パソコンからモバイル機器へのパラダイムシフトが始まっているのではないか?と感じるのですが、モバイルに焦点を当てた場合に .Net はどうなんだろう?という疑問も残ります。
今、難しい選択の岐路に立たされているような気がしてなりません。
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