フリーにも書かれていたように、テクノロジーの変化により本を出版し配布するコストは限りなくゼロに近づいてきています。本を製作するコストは同様にかかるでしょう。しかし、そこは問題ではありません。
Amazon kindle, iPhone, iPad, Android, ... 電子書籍の台頭により徐々にデジタル化が進んでいます。iPad の魅力は、おそらく、持ち運べる書籍がコンセプトなのでは?とも感じています。スティーブ・ジョブズ氏が、「人は1日に10時間も本を読まない」とぶちきれたのはカラー本とバッテリーの関係を入念に検討し、やむを得ず10時間ぐらいの長さに収まったところを突かれたからだと感じています。ここのデザインのためにCPUスペックを落としたり、機能を削ったり、相当に煮詰めたことだと思います。
その気になれば、個人で出版する事が容易な時代になっています。コストは、ほぼゼロ円です。AppStore ならぬ BookStore がデジタル化されるのも時間の問題でしょう。
ここまでは、大半の方が想いを巡らせている事でしょう。実際のリアルな本を考えてみましょう。日本でも多少のサービスがあり、1冊から印刷できます。しかし、どこも中途半場で、発想が発注者への納品という形になっています。無駄が多すぎて笑えます。中には50冊以上から注文を受け付けますなんてところもあります。本を出版するのが夢というマニアやイベント用冊子以外に誰が買うんだよ?
私はコミケをやっていませんが、BBS時代に一度オフ会でコミケに参加した事があります。コミケでは、サークルのような形で同人誌を出版しており、グループ出版に近い形をとっています。最近の事情をとんと知らないので、間違っているかもしれませんが、ここでも製本会社から納品された本を販売しているか、自前で印刷したものを製本して販売しているという形で収まっているのではないかと推察しています。
発想の柔軟な海外では、いや、日本ほど書籍好きではなく独特の市場を形成していない海外ではもう少しスマートです。
http://www.cafepress.com/cp/info/help/learn_book.aspx
他にもいくつかあったはずです(忘れてしまいました)。
要するに、書籍のサイズや素材が画一化されていて、デジタル印刷になっているのであれば、出版したい人が書籍を印刷会社に登録し、ウェブ販売、または、書籍販売サービスAPIを介して個人が書籍を販売し、リアルタイムに注文を受けた印刷・製本会社が、本を注文した個人に書籍を印刷して郵送するって事です。凸版印刷さんあたり、サービスしてみませんか?いかがですか?
「ウェブを変える10の破壊的トレンド」にもあったように、キーワード「ダイレクト」は、とても重要な要素です。Google や Amazon や iPhone や iPad をスキップして、リアルな書籍は個人が売る時代がやってくるのです。
販売部数が足りなくて、休刊した有用な雑誌は、そのビジネス・モデルを変えて存続しています。
一例をあげるとDr.Dobb's Journalがそうです。
今までは、ビジネスとして成立するためには、これだけの部数が必要という形でした。これからは部数の制限が解除され、潜在的な市場が顕在化される事になるのです。個の時代は、多様化の時代でもあります。
iPhone に見られるように、キーワード「ダイレクト」を知り尽くしている企業は「囲い込み戦略」をとるかもしれません。中間マージンを徹底的に排除し、競争力を上げ、市場を独占する。
そんな世界に、デジタル書籍を持ち込めば、リアル書籍の販売手数料まで搾取されるかもしれません。
そこで、デジタル書籍の中にリアル書籍の購入ページへのリンクを埋め込む必要があると思います。このリンクを拒否するデジタル Book Store があるならば、断固戦うべきです。
リンクを埋め込むにあたって重要になるのが、リンク・サービス。bit.ly の新たな形が、リンク変更に追随するサービスです。これ無くしてデジタル書籍とリアル書籍の繋ぎはできません。
ダイレクトに販売されるようになった先の本屋は、どうなるのでしょうか?今や、町の本屋さんは役目を終え、静かに閉店しています。雑誌はコンビニで買えるし、専門雑誌は定期購読できるし、普通の本はネット通販で買えてしまいます。そこが離島であっても品揃えは同じです。
品揃えのない町の本屋さんに何を探しに行くというのでしょうか?その答えのひとつが、北海道では有名な「くすみ書房」にあります。
大型書店の魅力は品揃えです。書店の店員さんがレイアウトしたものを我々顧客が視覚で捉えて本を選別していく・・・。あまりに細分化した書籍を揃えるのは厳しいものです。もしかしたら、将来大型書店は、アミューズメント型になっていくのでしょうか?。
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