2009年2月4日水曜日

ハチはなぜ大量死したのか?感想

 蜜蜂が大量失踪する事件について書かれたものであるが、現状に警鐘を鳴らすだけでなく、どのようにすればよいかという道標を提示しています。そういう意味では、本書で十分完結しているように思います。蜜蜂の生態について知らない事がたくさん書いてあります。その中で、働き蜂は生殖機能が無いのに分蜂させないというのは、不老長寿を得た状態で、大量に死滅するのも無理はないと感じました(これについては、本書に引き続き404 Blog not found にて「寿命論」の紹介がされており、当然、そう来るよなーという展開)。

 後書きに「プリオン説はほんとうか?」を書いた福岡伸一先生の解説がありますが、世界に6台しかない粒子分類装置を使って、BSDBSEの原因粒子の大きさを推定できないだろうかと、閃きました。もしBSDBSEがウィルスであるならば、たんぱく質をコロイドのように纏った状態である可能性が高いという話があります。この仮定を推し進めて、ウィルスの大きさを x とし、多様なたんぱく質の大きさを T1, T2, T3, T4,...,Tn とします。単純なモデルでは Ti - x - Tj、或いは Tk - x と結合した粒子が考えられますが、感染力を持った粒子 M の大きさを L(M) = L(x) + L(Ti) + L(Tj) として、感染力を持たない「たんぱく質」 L(T1),..., L(Tn) の組み合わせで Genetic Algorithm を使って推定できないだろうか?というものです。

 私は鳥インフルエンザは、抗生物質を投与する畜産方法が産んだ怪物だと推測しています。そんな中、本書には中国産蜂蜜から炭疽菌に対して使用されるシプロが検出された事実が紹介されています。これは、とても深刻な事で、中国は農・畜産・水産業のやり方を改めないと、中国から死が蔓延していくのではないかと思います。

 我が家では、日本の養蜂家から買った蜂蜜を食べていますが、本書を読んで、普通に手に入る蜂蜜を買っていたら何が入っているか安心できたもんじゃないなと半分ゾッとしました。スーパーで茨城産の干し芋と、中国産の干し芋が並んでいて、値段が倍ぐらい違うけれども、その現状を考え込んでしまうぐらいの衝撃です。

 北海道では、今、蝦夷鹿が増えて問題になっています。もの凄い勢いで増えており、幾寅という所では鹿肉のカツをレシピとして取り入れるほどです。これも蝦夷狼が滅んで生態系が変わったり、地球温暖化の影響だったりするのかもしれません。海ではアザラシが増えて問題になっているそうです。一時は漁獲量が激減した(プロフィールの鵡川で取れる魚)シシャモは、町の取り組みで復活しています。

 とりとめがなくなってしまいましたが、不耕起農業など効率的な農業等の道はあるはずで、情報化社会になり新たなステージの農業が始まるのを期待したいです。

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