2010年7月28日水曜日

iPadのPDFアプリ比較

 はじめにお断りしておきますが、この比較は、独断と偏見によるもので、完全に裏をとったものではありません。また、PDFも書籍をデジタルスキャンしたままの状態で、画像をの集合体というPDFに特化した比較となっています。その点を考慮にいれておいてください。テキストを含むPDFの評価はありません。

 Cloudreaders 1.12, iBooks 1.1.2, Bookman 1.3, FastPDF 1.2, GoodReader 2.8.1, iBunkoHD 1.03 以上が私の持っているPDFアプリです。これらのアプリを系統で分けると
  1. iBooks, iBunkoHD, Cloudreaders
  2. Bookman
  3. GoodReader
  4. FastPDF

になります。
 iBooks 等は、Apple が提供する PDFライブラリを駆使すると思われるもの
 Bookman は、ページ毎にPDF内のObjectタグから直接画像を処理して適切な解像度の画像を生成するもの
 GoodReader, FastPDF は、独自のPDFライブラリを駆使すると思われるもの

いきなり結論から言うと、A5版までの文字が極端に細かくない書籍を読むのに最適なアプリは、Bookman がダントツでしょう。インデックス用のサムネイル画像と、表示用の画像を事前に生成していると思われます。Bookmanの動作推定根拠は、一定以上は拡大しても解像度が固定のままであるし、ページの回転情報を無視して生の画像からページを生成しているので、PDFが指定する画像の向きと異なる表示になる事がある点です。これに見開きページの偶奇と、左右読み方向の設定に対応してくれれば、もう思い残すことはありません。それぐらい快適です。一般的な本を読むのに、Bookmanを愛用してます。

 どんなに重たい画像がきても落ちる事なく安定している凄アプリは、GoodReaderです。安定度No1と言えます。高解像度のカラー画像本(600Mにも及ぶ)を、いろいろなアプリで開きましたが、落ちなかったのは、GoodReaderとBookmanだけでした。他のアプリは落ちまくりです。Bookmanは、画像処理をやってしまうので落ちません。GoodReaderは、拡大した範囲しか画像を展開しないので落ちません。よって、困ったPDFは全部GoodReaderで開いとけば安心です。GoodReaderでは、解像度の変更もできます。<-Resizeというフォルダがインデックス化されているのを見て勘違いしてた。解像度の変更まではできません。

 さて、それでは、やや重たい程度の節度ある画像が含まれるPDFを読むのに適したアプリは?というと、FastPDFという事になるでしょうか…。正直、どれも決定打に欠けるのですが、適度な解像度をキープしてくれるのと、ストレスが少ない点が評価のポイントです。 結構、落ちるので、GoodReader 以外に選択肢は無し。

 iBooksは、eBookと同様にサムネイルを展開するので良いのですが、いかんせん、まともな解像度で表示されるまでの時間が長すぎて使い物になりません。iBunkoHDは、いろいろと裏技を駆使して落ちないように努力されているみたいなのですが、おかげで準備が整うまでページをめくる事ができないという現象が出てしまいます。

 画像ではないPDFは、評価の対象ではありませんが、iBooksはサムネイル対応あり、iBunkoHDは左右読み方向と見開き偶奇に対応ありで、一歩抜きん出ていると言えるかもしれません。




数学本などのスキャンでは神経質に1200dpiとかでスキャンしていますが、将来的には、これぐらいの解像度が当たり前な時代になるかもしれません。それまでの繋ぎとして、どうやって低解像度のPDFを効率よく生成するか?Windows限定な方法となりますが、画像梱包で画像を展開し、リサイズ超簡単プロ!で画像解像度を%指定で落とします。最後に、画像梱包でResizeフォルダを指定してPDFを復元します。

2010/8/2 追記: モノクロ画像だとカラー画像に変換されてしまうので、圧縮後のサイズが余計に大きくなってしまう…カラーPDFにしか使えない技だった…。しかも、ScanSnapの文字傾きの訂正とかは、読み取った後の画像に対してPDF的に回転角度を指定しているだけで、画像自体には、ちっとも手を入れていない。そのため、画像にバラした後は、向きを手動で訂正しなければならない。だいたい、PDFで画像を回転するという事は、それだけPDFでの表示が遅くなるという事だ。もう読み取り速度が遅くなっても、今後は縦方向スキャンしかしないし、文字の傾き訂正機能も使わないようにしようと思う。驚いた事に、角度は90度だけでなく、数度単位で回転を指定している場合もあった。頁の余白がなくて急に写真が出現する場合は、10度程度、頁が傾いてしまう事があるが、取り出した画像には傾きは見られなかった。空白を削除するのも、やめておいた方がいいだろうと思う。レイアウトが崩れるし、後で処理に困るからだ…。いやー、イラつく…。時間なんて全然無いのに、生産消費者の道を進めとの声が聞こえてきそうである…。

 Enjoy 自炊ライフ!

2010/8/1 追記: FastPDF は、結構な頻度で落ちる。おすすめは撤回した。
2010/8/29 追記:この後、FastPDF, GoodReader, iBunkoHDのバージョンアップが行われた。FastPDF は安定度が増したように思う。iBunkoHD は、大幅改修されてオールマイティに利用できる感じになった。どれも甲乙つけ難い。ポイントだけ列挙すると、FastPDF は、見開きにした時に1頁だけズラせる事ができるので、偶奇・奇偶とどんなタイプの見開きも見れるように調整できる点が良い。GoodReader のクリッピング領域を固定しながら頁をめくる機能が、かなり重宝される。余白の多いPDFでは、これが無いと読みにくい。iBunkoHDは、欠点が見当たらなくなってしまった。

 ところで、iPad では、写真フォルダを他のアプリから閲覧できるのだが、本に対しても同じような事ができないものなのだろうか?アプリに閉じ込められた本というのは、正直、取扱い辛い

2010/9/6 追記:Bookman のバージョンが上がって、死角がほとんど無くなってしまった。自炊に関しては、正直Bookman一本で良いと思う。ウェブからダウンロードするPDF用にはGoodReader、気分でソツない iBunkoHDをチョイス。といった所で落ち着いてしまいました。

2010/11/13 追記:グレースケールの大型本は、GoodReaderで読むようにしている。とにかく、Bookman, GoodReader の2大アプリさまさまだ。

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