2010年3月21日日曜日

Microsoft どこへ行く?

 スティーブ・バルマーCEOから、Windowsデベロッパの皆様へという手紙が来た。Microsoftには、日ごろから大変お世話になっているので、恩返しがしたい。本当にそう思っている。オープン・ソース系の人からは、クローズド・ソースだの暴利を貪っているだのと批判が絶えないが、Microsoftが悪いとは思わない。
 最近ではオープン・ソースのものを使う機会も高く、仕事のウェイトでも半々ぐらいかもしれない。オープン・ソースならタダか?という問いに関しては、間違いなく、こう答える事ができる。「タダより高いものは無い」と。もちろん、タダで品質が高く、良いものもたくさんある。
 この時代、一歩間違えれば奈落の底に落ちかねない。私自身、技術者として、開発者として、経営に携わる者として、何を使って開発するか?には、頭を痛めた。Software + Service は、間違ってはいないだろう。ただし、特定のプラットフォームだけに束縛されてしまうのは、とても危険な事だ。.Netを利用して開発する選択肢もあった。実際 WPF, WCF の本も買ってきて、中身を検討した。他のプラットフォームとの接続は、抽象化されて申し分ない。この時代の流儀には、おあつらえ向きだ。しかし、プラットフォームを選択するのは、我々デベロッパでは無い。お客様だ。お客様がノーと言えば、特定のプラットフォームだけに束縛されている事が死を意味する。
 もう、わかるだろう?特定のプラットフォームとは、Windows の事だ。
 いいかい? .Net が安心して使えるためには、Mono プロジェクトや、Moonlight プロジェクトの位置づけが重要になってくるんですよ。ブラウザで .Net を安心して使ってもらえるようにするためには、Internet Explorer の W3C に対する準拠度が重要になってくるんですよ。数年前のVisual C++ も似たような状況に置かれていたと思う。boost という素晴らしいライブラリがあるのに、Visual C++ の準拠度が低くて、使えない機能があり腐っていた時期もあった。けど、ビルゲイツ氏が Visual C++ の標準準拠度を上げると決断してくれたのだ。
 Microsoft の社風は、見るところバグや標準準拠よりも新しい機能というところがあるように思う。そんな社風にあって、重要な部分は、トップが標準に準拠すると決断し、推進することだ。バルマーさんには、是非、そのように決断して実践してもらいたい。もう決断された後かもしれないが…。
 Microsoft Office の未来について、漠然とした提案をしてみよう。ソフトウェアを売る事やバージョンアップ料金でお金を稼ぐ事は、今後、ますます苦しくなるだろう。デザインから寸分違わないキングソフトオフィス、オープンオフィス、防戦一方だ。これからは、一部の機能をクラウド化する事だ。デザイナを社内に置いてテンプレートを提供するとか、クラウド・ストレージをセットにしてサービスするとか、検索サービスを提供するとか、とにかく、マイクロソフトが必要とされるようなサービスを考えるというのはどうでしょうか?

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