このエントリーは、2011年3月11日に発生した東北沖地震の影響で、欠航が相次ぎ、翌12日大量のキャンセル待ちが生じている状況下におけるJALの行列のさばき方を分析したものである。2時間ぐらいの行列が出きている中、JALがとっていた処置は、通常運行における手荷物を預けたいだけの客と、各路線のキャンセル待ちの客を全て同じ列に並ばせるというものであった。
午前4時30分、行列が形成されはじめる。午前5時30分にオープンする予定なので、午前5時ぐらいには何らかの対処があっても良さそうなものだが、現場では、列の並ばせ方をどうするかで揉めている模様。この時点で、危機管理対策がゼロである事が伺える。厳しい見方をすれば、経営危機に陥り、いろいろと改革されているはずであるが、本質は全く変化していないと言われて仕方がないかもしれない。
午前5時30分、午前8時30分までの全ての飛行機の欠航が決まり、オープンが午前6時に延期される。
午前6時(正確な時間は不明)、一部の便だけ運行が決定したので、キャンセル待ちの行列を処理するために、受付が開始される。ただし、全ての路線がごっちゃになっているので、運行が決定していない路線の客に対しては排除措置が取られた。「運行の目処がたっていないので、お引取りください。運行の目処が立ったらご連絡します。その際は、再度、列に並びなおしてください。」という説明であった。まず、この状況をアナウンスしないで、窓口で個別に説明するという対応に怒りを覚えた。サービスする側、キャンセル待ちをしている客、双方にとって全く時間の無駄である。せめて、一言アナウンスすれば、便秘の原因となっている行列中の客は掃けるのである。次に、運行が開始されたというアナウンスが館内に流れる事は一度も無かったことに、怒りを覚えた。
午前10時30分ごろ、電光掲示板を見て運行が開始されている事に気がつき、再び行列の最後尾から並びなおす。行列のフォロワーが一人もいないので、この行列で合っているのか不安を覚えながら並んだ。ややしばらくして、お弁当とおにぎりの無料配布が始まった。そんな気を遣う前に、行列をフォローしてください・・・と、言いたかった。
行列がサービスデスクに近づくにつれて、このシステムの全容が明らかになってくる。「前列の中で、○○行きのキャンセル待ちのお客さまは、いらっしゃいませんか?」。賢明な読者なら、もうお気づきであろう。そう、前列付近に○○行きのキャンセル待ちの客がいない場合には、飛行機は空席のまま飛び立つしかないのである。たとえ、行列の後方に、たくさんの○○行きのキャンセル待ちの客が居たとしてもである。このようにして便秘の行列は、なかなか掃けず、単に手荷物を預けたいだけの客も巻き添えを食らっていた。中には1時間30分ぐらい並んだ挙句、列を離脱する方もいた。ちなみに、セキュリィティチェックでは、大量の手荷物を検査するために手間取っている(何度も手荷物を差し戻して検査する)模様であった。
さて、ようやく私の順番が来て、発券となったのだが、私の直前に「駆け込みキャンセル」をさばき終えたばかりなので、直近の便でもキャンセルが予測されるが確定には至らず、ずいぶん後の便を案内してもらう事になった。こんな状況下では、文句を言うのも忍びない。実際、現場の方々は個々に一生懸命対応しているのだ。
余裕を持って、セキュリィティチェックを終え、ゲートの待合室でニュースを食い入るように見ていると、「○○行きで、キャンセル待ちのお客さまは、いらっしゃいませんか?」と声が聞こえた。私は必死に考えた。論理的におかしい。まず、ゲートの待合室に来れる客は、便が決定しているから、ここに来ているのであって、キャンセル待ちの人など、いるはずが無い。一体、何が言いたいのか???また、単に声を上げるだけでなく、何故、アナウンスしないのか???いやはや、現場の混乱は相当なものである。
飛行機に乗り込んで、空席を確認してみたが、札幌行き15:00の便は、10席以上空いていた。13:00ぐらいに並んで、札幌行きに乗れなった方がどれぐらいいるのか、気になるところである。
この行列のさばき方を命名すると、やはり、「お声がけ便秘キューシステム」がピッタリであろう。便秘を解消するためには、まず、最低限として、手荷物を預ける客と、キャンセル待ちの客と、通常手続きの客の行列を分離するべきであろう。次に、キャンセル待ちの客を方面ごとに分離すべきである。それが不可能であるならば、整理券を発行し、アナウンスで呼びかけるなどすれば良い。
チケットレス・サービスがあるのだから、キャンセル待ちの予約を組み込んではどうだろうか?キャンセルが確定する度に、キャンセル待ちの客を順次、各便にバインド(紐付け)していくのである。便のシフトも含めてシステム側で対応すれば、わざわざ券を発行しなくてもいいだろ?アナウンスも含めて、体制を見直した方がよいでしょう。
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