2009年3月7日土曜日

動的平衡

 福岡伸一先生の本は、面白い。「動的平衡」を書店で見かけたので手にとってみた。「ソトコト」という雑誌と「シグネチャー」という雑誌に掲載された記事に加筆したものらしいです。
  • 第1章 脳にかけられた「バイアス」
  • 第2章 汝(なんじ)とは「汝の食べた物」である
  • 第3章 ダイエットの科学
  • 第4章 その食品を食べますか?
  • 第5章 生命は時計仕掛けか?
  • 第6章 ヒトと病原体の戦い
  • 第7章 ミトコンドリア・ミステリー
  • 第8章 生命は分子の「淀み」
という構成で、それぞれが読切物になっていて、読み易いです。第1章では、例えば、飲むと「相対性理論」の知識が得られる記憶を司る物資の入った夢のような薬の話など(相対性理論は本書に出ません)。第6章では抗生物質と耐性細菌の進化による動的平衡、第7章のミトコンドリアは、パラサイト・イブでも有名なミトコンドリアの話が出ます。
 本書のテーマ動的平衡は、生命システムは何十億年とかけて構築された、幾重にも厳重にバックアップ・システムを備えたフォルト・トレーラントなシステムであり、まだまだ人間の科学では及びも付かないような、ある種の神的な深遠な世界であり、謙虚たれ、と訴えているように感じました。

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