2011年4月27日水曜日

放射線量に関して考察(自己流)

政府(原子力委員会)が、作業員の線量を500mSv/Yearで問題ナッシングと自信を持って言ってるようなので、放射線について考察してみた。むろん、素人の妄想である。今、放射線量に関して書く事は、勇気のいる事だと思う。仮に100mSv/Year ぐらいなら安全だよと主張する人がいても、非難する気にはなれない。

ネット上でいろいろと調べたが、安全の根拠がさっぱりわからないので、本を買って読む事にした。「放射線の話」と、「食卓にあがった放射能」。後者は CNIC の会見でおなじみの渡辺美紀子さんも著書に加わっていた。バランスが良さそうなものと、第三者機関が書いたものをチョイスした。これに、ネット上で得た知識を加えている。

放射能とは放射性物質の事で、放射線は放射性物質からでる線の事である。この放射線は細かく分けると、たくさんあるが、主なものに分類すると、α線、β線、γ|X線になる。この中で注目すべきはα線で、ヘリウムなのでエネルギーも大きくβ線、γ線に比べると20倍の威力がある。しかし、大きさが仇になって紙でも止める事ができる。α線を出す核種とはウランやプルトニウムの事だが、紙でも止められるが、体内に取り込まれると20倍の威力となる。大きい方が遺伝子を傷つけるので怖いといえる。放射性物質という側面よりも、重金属なので毒性が強いという側面が怖いのかもしれない(最終的には鉛で安定するようだし)。劣化ウラン弾により、奇形が発生しているぐらいだから、プルトニウムも安全とは言えない気がする。原子力のページには、硝酸プルトニウムを吸ってしまった事例も載っているが、肝心の量が書かれていないし、資料も古そうだ。どれも定量的説明に欠けるように思う。灰に吸い込んだ場合の致死量は17mgという話から、食べた場合は排泄されるので心配ないという話まであり、とどのつまり、本当の事がわからなそうである。まあ、どのぐらいの量まで大丈夫か人体実験できないので、無理もない。医療関係のページでは体内に蓄積された場合は厄介だとされているようである。食卓にあがった放射能では、肺、骨、生殖器に蓄積する核種とされている。

ラムサール、ガラパリなど、年間 10mSv/Year な地域でも人が生きている事から、ある程度は問題無いのかもしれない。生物学的に見れば、動的平衡で少々遺伝子が傷ついても大丈夫なのだろう。もっと言えば、生存できない個体はいなくなるだけの話で、何の問題もない。まさにBBCクオリティ。

ラジウムやラドンが健康に良いから大丈夫というのは嘘っぱちで、大量に浴びると、健康を害する。余計な放射線は浴びない方が良いようである。

レントゲン撮影と比較する例が見受けられるが、全身に浴びる量と、部分的に浴びる量を比較されても、なんだかなぁというのが正直な感想である。放射線治療では、もっと高い線量を浴びるという説明も、体に休息が入れられる状態と、24時間放射線を浴びっ放しという状態は比較にならんだろ、というのが正直な感想である。放射線治療は経過を見ながら投与する量を調整するものだと考えられるので、やはり、24時間放射線を浴びっ放しという状態は比較にならんだろうと思う。

外部被曝に関しては、生涯線量という考え方もあり、通算 350mSv という情報もあった。人生80年とすると、放射線量の高い地域では 800mSv になってしまう。モデルがたくさんあって、専門家でないと、よくわからない。このままいくと、福島モデルにより生涯線量は xxx Sv ですという時代がくるやもしれぬ。

被曝医療のページを見ると、閾値有りモデルを採用しているように見える。しかし、閾値無しモデルの方が自然ではないのか?ここに一抹の不安を覚えるのである。

人体は総じて放射線に強いようであるが、細胞分裂の激しい部位は被曝に弱いようである。また、ヨウ素131など甲状腺に蓄積してしまうなど、核種(放射性物質)の特性により特定の部位に集積されるのは、やはり問題ではなかろうか?外部被曝であれば、皮膚などである程度軽減されるだろう。しかし、骨に集積されるストロンチウムは、常識的に考えて骨髄に作用し易いと思うので、どう考えても安心とは言えないだろう。しかしながら、1960年代にピークを迎えた核実験による放射能や、中国核実験のとばっちりを受けた例もある事なので、放射能が降り注いだからといって深刻に考える必要が無いようにも思える。

外部被曝に関しては、今のレベルであれば心配する必要が無い。怖いのは内部被曝である。放射能は吸気しないように心がけるべきであり、怪我をして体内に取り込まないように心がけるべきであり、カリウムを除く放射能を含んだ食の摂取は、出来る限り少なくすべきである(ただし、過去の実績もあるので、食料もある程度までは許容できるのだろう)。というのが、現在の自分の中での結論である。

幸い、今のところ北海道では食の事だけを考えれば良い。これから徐々に南風の季節がやってくるので、楽観はしていない。福島近隣の状況は、とても心配なのである。福島第一原発が事故を起こした時期が冬で、ほんとうにラッキーだった。さもなければ、もっと悲惨な事態になっていた気がする。

尚、政府の対応であるが、原発の事故があってから、安全な線量を手の平を返したように引き上げるのは感心できない。だから、政府は、線量を引き上げた根拠を説明すべきなのである。政治家には放射線量の安全性に関する説明能力が無いので、原子力委員会が、どのようなデータ、どのような論文に基づいて線量を引き上げる決断をしたのか、原子力委員会以外の専門家が検証できるレベルで説明すべきなのである。

原子力時限爆弾」も読んでいるが、浜岡原発を止めない政府は、どうかしてると思う。2箇所も面倒見れるわけないだろ?リスク高すぎ。広瀬さんが書いているとおりの事が起きているというのに…。

この文書をポストするのって、清水の舞台から飛び降りるような心境だな・・・。ま、俺、空気読めないから、いいんだけど・・・批判にさらされながら、放射線量に言及する専門家の方は、尊敬に値すると思う。安全、危険、どちらに振れていようとも、勇気のいることだ。

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